妊娠中に気を付けたい症状のひとつである貧血は葉酸や鉄分を摂取することが大切と言われています。特に葉酸は水溶性ビタミンであるため、長期間体内にとどめておくことができないため、サプリメントなどで毎日摂取することが大切です。今回は、妊娠中の貧血と葉酸と鉄分の関係やそれぞれの働き、胎児への影響などを解説します。
妊娠中は貧血に注意
妊娠中はマイナートラブルが起こりやすく、その日その日で体調も異なります。妊娠中に起こりやすいマイナートラブルのひとつが貧血です。
妊娠すると、お母さんの体内にある鉄分を赤ちゃんに優先的に送るため、お母さん自身が消費する鉄分が足りなくなって貧血になってしまいます。また、妊娠により血液量が妊娠前の1.5倍に増えることで、赤血球の産生が追い付かなくなって血液が薄まった状態になってしまうことも貧血につながるのです。
こうした妊娠時に起こる貧血はヘモグロビン値が11.0g/dl、またはヘマトクリット値33％未満の場合に診断されます。
妊婦貧血は、すべての妊婦の20％程度に発症し、そのほとんどは鉄分や葉酸が不足したことで起こる「鉄欠乏性貧血」や「巨赤芽球貧血」です。ここではそれぞれを解説します。
鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血とは、体内の鉄不足により赤血球の構成要素であるヘモグロビンが作れなくなって、酸素が十分に供給できないために起きる貧血です。貧血の中でもっとも頻度が高い疾患です。
鉄欠乏性貧血の原因は以下です。
- 体内での鉄の需要の増加
- 鉄の摂取不足、吸収不良
- 生理や怪我、消化管出血などの鉄の喪失
妊娠中に起こる鉄欠乏性貧血は赤ちゃんの分も鉄が必要となること（鉄の需要の増加）が原因です。
鉄欠乏性貧血は妊娠中の血液検査で指摘されるまで気が付かないことも多いです。症状には、動悸や息切れ、疲労感などがありますが、これらは妊娠して胎児が大きくなるにつれて起こりやすい症状でもあります。そのため、こうした症状が貧血も原因のひとつとなっていることに気づかないという特徴があります。
巨赤芽球性貧血
巨赤芽球性貧血とは、体内の葉酸もしくはビタミンB12が不足することで細胞分裂ができなくなったために起きる貧血です。今回は葉酸不足が要因となるものにフォーカスします。
巨赤芽球性貧血の原因は以下です。
- 体内での葉酸の需要増加
- 葉酸の摂取不足
- 吸収障害
- 薬や持病の影響
妊娠中に起こる巨赤芽球性貧血は、赤ちゃんの分も葉酸が必要になること（葉酸の需要増加）が原因です。
妊娠初期は赤ちゃんの重要な臓器を作るためにたくさんの葉酸を使用します。そのため、これまで通りの食事内容では葉酸が不足しやすくなっているのです。特に妊娠初期は胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のために普段の食事にプラスしてサプリメントなどでの葉酸の摂取が推奨されています。
巨赤芽球性貧血になると、息切れやめまいなどの症状のほかに、疲れやすさや顔が青白くなることがあります。これらの症状も妊娠中は起こりやすいため、血液検査をするまで気が付かないこともめずらしくありません。
葉酸と鉄分の働き
妊娠中に多い鉄欠乏性貧血と巨赤芽球性貧血は、赤ちゃんのために鉄分や葉酸が使われることでお母さんに使う分の栄養素が不足することが原因で起こります。ではそもそも、鉄分や葉酸は、どのような働きをしているのでしょうか？それぞれを解説します。
葉酸
葉酸はビタミンB群に含まれる水溶性のビタミンです。DNAなどの遺伝子に関与している核酸や、タンパク質の合成を促して細胞分裂をサポートするほか、ビタミンB12と一緒に赤血球を作っています。
葉酸は細胞分裂や赤血球に関与しているため、お母さんの体の機能維持だけではなく、胎児がお腹のなかですくすく成長していくためにも大切な成分です。特に妊娠初期は心臓や目、脳、脊髄などの重要な器官を作っており、これにも葉酸が関与しています。
通常の食事をしていれば葉酸が不足することはありませんが、妊娠以外では食事の偏りや小食、アルコールの飲みすぎなどで不足することがあります。
鉄分
鉄分はミネラルの一種です。成人では体の中に3〜5g存在しており、そのうち70％は赤血球のヘモグロビンや筋肉のミオグロビンに存在しています。残りは肝臓や骨髄、筋肉などにストックされています。
鉄分が不足すると貧血になることは皆さんよくご存じでしょう。通常の食事をしていれば鉄分が不足することはありませんが、女性は妊娠や出産、月経などで貧血になりやすいことが分かっています。
妊娠中に貧血になると胎児に影響はある？
妊娠中の貧血は、すべての妊婦の20％に起こるためめずらしい症状というわけではありません。
しかし、重症の貧血が続いた場合は赤ちゃんの発育不全や切迫早産のリスクがあります。そのため、妊娠中は血液検査をして貧血が起こっていないかをデータで確認しているのです。
貧血が原因で起こる胎児発育不全や切迫早産とはどのような状態なのでしょうか。詳しく解説します。
胎児発育不全
貧血などが原因で起こる胎児発育不全は、子宮内で成長している赤ちゃんの発育が遅延したり停止したりして、数週相当の発育がみられない状態です。
お母さんの貧血が悪化すると、赤ちゃんに酸素や栄養を十分に送ることができなくなります。貧血が原因の場合は、鉄剤や葉酸を摂取することで改善しますが、原因が不明の場合もあります。
切迫早産
切迫早産とは、早産になる危険性が高い状態です。早産とは正期産より前に出産してしまうことで、妊娠22週0日から妊娠36週6日までの出産のことです。
貧血が悪化すると、胎盤に送られる血液が減ってしまいお腹の赤ちゃんに十分な酸素と栄養を届けることができません。そのため、赤ちゃんは苦しくなって外に出ようと陣痛や破水を起こします。破水や本陣痛が起きてしまうと出産を食い止めることはできません。
貧血の予防に鉄分入りの葉酸サプリを飲もう
妊娠中の貧血に多い鉄欠乏性貧血と巨赤芽球性貧血のふたつを予防するには、葉酸サプリに鉄分も配合されているサプリメントを選ぶと、妊娠中の貧血を効率よく予防することができます。
妊活用のサプリメントでは、妊娠時のマイナートラブルに対応してビタミン類や葉酸、鉄分、亜鉛などさまざまな栄養素が含まれています。さまざまな栄養素を単体で摂取すると、飲み合わせの問題や、費用も高額になりがちです。
あれもこれもと飲む場合、過剰摂取になる可能性もあるでしょう。そのため、1つのサプリメントの中に複数の栄養素が入っているサプリを選ぶのがおすすめです。
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makanaの詳細情報
| サプリ名 | makana葉酸サプリ |
| 初回価格 | 3,980円 |
| 定期購入価格 | 5,980円 |
| 単体価格 | 6,580円 |
| 葉酸配合量 | 400µg |
| 飲む量 | 1日4粒 |
| 定期購入 | 定期購入縛りなし |
| 栄養素 | 葉酸 400µg、鉄 8.7mg、亜鉛 5.3mg、ビタミンB1 2.9mg、ビタミンB2 1.8mg、ビタミンB6 2.5mg、ビタミンB12 24.1μg、ビタミンC124.2mg、ビタミンD 4.1μg、ビタミンE 20.9mg、ナイアシン 12.5mg、銅 0.5mg、パントテン酸 16.0mg、ビオチン 49.4μg |
まとめ
妊娠中に起こる妊婦貧血は、鉄欠乏性貧血と巨赤芽球性貧血が多く、鉄分と葉酸を日ごろから摂取していれば防ぐことができます。葉酸や鉄分が不足すると、胎児の神経管閉鎖障害や発育不全、切迫早産のリスクが高まるため注意しましょう。これらの貧血を予防するには、葉酸サプリに鉄分も配合しているものを選ぶとより効果的です。本記事を参考に、今日から葉酸と鉄分を一緒に摂取してはいかがでしょうか？
この記事の監修者
管理栄養士：栗城智子
大学卒業後、食品メーカーにて商品開発や品質保証の業務に従事し、管理栄養士を取得。特定保健指導やドラッグストア勤務において、人々の食事や健康、サプリメントに関する悩みに寄り添う。そのほか医薬品登録販売者、フードスペシャリスト、中級食品表示診断士、離乳食・妊産婦食アドバイザー、日本化粧品検定1級、アロマテラピーアドバイザーなどの資格を保有。食と健康について学びを続けている。現在は子育てをしながら管理栄養士ライターとして執筆や商品監修に携わる。
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